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勘九郎襲名披露興行 [舞台]

 中村勘九郎さんの襲名披露興行の昼の部へ行ってきました。
昼の部の襲名演目は「土蜘」です。これは尾上菊五郎家の新古演劇十種のひとつである舞踊劇。夜の「鏡獅子」も魅力的だったのだけれど、勘九郎さんの「土蜘」ですから、これは見逃せません。
「病で伏している源頼光の元へ、夜中にひとりの僧が訪ねて来る。僧は智籌と名乗り、頼光の病平癒の祈願に来たというが、実は土蜘の精の化身で、祈祷の最中に正体を見破られ一筋の糸を放ち消え失せる。頼光は己の病の原因がこの土蜘にあると推量し、家来の平井保昌を初めとした四天王に土蜘の成敗を命じる…」と、まあ、こんな感じのものなのですが、見どころは、智籌の妖気漂う舞。勘九郎さんは見事に演じていました。智籌の役はお父様もなさっていないので、これは完全に勘九郎さんは自分のものにしていました。
 大御馳走で間狂言の番卒役に吉右衛門さん、仁左衛門さん、勘三郎さんが付き合っていて、場内、大喜び、楽しかったです。
 他に七之助さん、橋之助さんの「鳴神」と仁左衛門さんの「河内山」が出ました。七之助さんは確実にステップアップしています。観るたびに良くなっている。すごく楽しみです。
 松島屋の「河内山」はてっきり初役かと思ったら、8年前になさっているそうです。江戸歌舞伎の代表のような演目の「河内山」。普通だったら吉右衛門さんの役ですが、仁左衛門さんも魅力である悪の部分が見えてなかなか面白かった。ただ、大膳役の方がちょっとひどい。つくづく、歌舞伎界の脇役不足が感じられました。主役ばっかりではできない、歌舞伎も。だから勘三郎さんが「夏祭」を演じるときなどに義平次を笹野高史さんが演ることになったりするのでしょう。

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連日でして… [舞台]

 昨夜は、浅草の平成中村座へ行ってきました。浅草駅からは歩いたら15分ほど。観音裏で、待乳山聖天の側です。昨日は大雨と風で小屋でもかなりの雨音がしていました。演目は、勘太郎さんと七之助さんの「猿若舞」、仁左衛門さん、勘三郎さんで「伊賀越の沼津」、そして七之助さん、勘太郎さん、橋之助さんで「弁天小僧」でした。
 一番の眼目は「沼津」だったのですが、まあ、これはお二人とも手に入ったものなので安心して見ていました。ただ、前に比べて仁左衛門さんの声量が落ちたと、ちょっと感じました。平作とのやりとりが聞こえにくかったです。席が後ろの方だったせいもありますが、松嶋屋ファンとしてはちょっと気になります。
 収穫だったのは、七之助さんの弁天小僧。美しさはもちろんですが、お馴染みの「知らざあ、云ってきかせやしょう…」という台詞もしっかりして、お兄さんの勘太郎さんの南郷とのやり取りも面白みが出ていました。これからいい弁天になるんじゃないかしら。

 そして今日は、新国立劇場での「天守物語」の楽日。ちょっと前半が冗長に感じました。肝心の富姫と図書之助のところが映えなくなっていました。ただ、心配していたよりは、平岡さんの図書之助は良かった。立ち回りも綺麗だったし、台詞もだいぶ鍛えられたみたいですね。
 しかし思えば、9月20日の「朱雀家の滅亡」の初日に始まり、11月20日の今日まで、よく通いました。ちょうど2ヶ月。まあ、ほとんど「朱雀家…」ですがね。こんな幸せな日々、今度はいつ来るのかなあ。

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わたしは見た [舞台]

 今夜(正確には昨夜)は、日比谷のシアタークリエに「ピアフ」を観に行ってきました。大竹しのぶさんがピアフです。1幕はやっぱり大竹さんにしか見えなかけど、2幕の老いてからのピアフはとても良かったです。凄まじい人生ですが、多くの男の人にも愛され、愛したピアフ。大竹さんは歌もなかなかがんばってはいました。
 満席で、私の後ろの席には草笛光子さんがいらしていましたね。草笛さんはオーラがあって、とてもお綺麗でした。
 知り合いが出演していたので、終演後、楽屋に挨拶に行きました。そして、楽屋口を出たところで、立って、出待ちをしている二人の男性にどうも見覚えが…。なんと、「朱雀家…」のときにたくさん國村さんの出演映画のパンフレットを持って来て、全部にサインをもらっていた人。もうひとりの人も國村さんの「三人姉妹」などのプログラムにサインをもらっていた人でした。熱烈な男性の國村さんファンか…と思ったのですが、どうも出待ちマニア(そういう人種がいるのか知りませんが)らしいです。ああ、びっくりした。

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花組芝居 [舞台]

 まだ風邪はなおりきってはいないのですが、楽しみにしていた花組芝居「聖ひばり御殿」の日なので、銀座の博品館劇場へ。このところ、花組芝居も文芸ものが多かったのです、今回は、16年振りの再演。キャストも一新。久々の歌ものです。筋なんていうものはほとんどないに等しい。でもテンポもよくて、3時間近くを楽しめました。プログラムで加納幸和さんが白井晃さんとの対談の中で話していましたが、花組芝居って、基本はアチャラカ芝居なのよね。そこがいいのです。やっぱり、舞台と客席に一体感ができるような芝居でないとね。
タグ:花組芝居
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+アクトに木村了さんインタビュー [舞台]

 今回は木村さんの露出が多いですね。國村さんのはないのかなあ…http://www.wani.co.jp/act/interview/interview.php?id=35


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新国立劇場「雨」、そして [舞台]

 新国立劇場で上演されている井上ひさしさんの「雨」を観に行ってきました。18時半開演で終演は22時という長時間の舞台でしたが、まったくあきることのない、いい舞台でした。
 「雨」は井上さんの脚本でも割と初期のもので、こまつ座などで何度も上演されています。でも、私は、なぜか観ていなくて、その分、とても新鮮な感覚で観ることができました。
 「物語の発端は江戸の両国、大橋のたもと。雨宿りに入った金物拾いの徳は、新顔の浮浪者から「喜左衛門さま…?」と声をかけられる。徳は、羽前平畠藩の紅花問屋「紅屋」の当主、喜左衛門と間違えられた。莫大な財産と平畠随一の器量よしの女房・おたかを残し、行方が分からなくなっていると聞き、本物の当主になりすまそうと、羽前に向かう徳。北へ向かうにつれて変わっていく言葉に戸惑いながらも、喜左衛門として、一世一代の大勝負を打つことになったのだが…」
 主人公の徳は亀治郎さん。井上作品には初めてだと思いますが、ともかくひとつひとつの動きがきれいで、惚れ惚れして見ていました。井上さんの作品の特徴である「言葉」。この「雨」の舞台である平畠は架空の場所ですが、井上さん自身の出身地の山形県置賜地方の、それも江戸時代の方言が重要な役割を果たしています。亀治郎さんは、きっぷのいい江戸弁と方言の山形弁を絶妙に自分のものとして演じていました。また、徳が自分の素性を知ることとなった芸者の花虫(梅沢昌代さん)を手にかけるところなどは、まるで鶴屋南北の世界をも彷彿とさせる動きと演出でした。
 いやあ堪能しました。テレビの中継がはいっていましたので、BSあたりで放映するかもしれませんね。
 終演後、お土産にいただいたのは、これでした。
ラスク.jpg
さすが山形県が舞台ですね。

 で、ここは新国立劇場ですから、あれが…

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タグ:井上ひさし
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クレタの王イドメネウス [舞台]

 知り合いに誘われてモーツアルト劇場のオペラ「イドメネウス」に行ってきました。モーツアルト劇場というのは、主宰している高橋英郎さんの方針で日本人のキャストで日本語でオペラを上演している会です。
 正直言って、お付き合いの感覚で見に行ったのですが、これがとても面白かったです。
 「海神のネプチューンに命を救われる条件として、上陸したときに最初に出会ったものを海への生け贄と捧げる約束をしたクレタ王イドメネウス。しかし、陸にあがったとき最初に出会ったのは、自分を心配してやってきていた息子のイダマンテだった。ここからイドメネウスの苦悩が始まる…」
 モーツアルトのオペラにしてはファンタジックでも、コメディチックでもないもの。でも、最後はやさしさにあふれたものでした。
 劇場は紀尾井ホールだったのですが、これがモーツアルトのオペラを上演するにはぴったりのキャパシティ。演出の鵜山仁さんが演劇的な感覚で劇場全体通路から、二階席まで使い、舞台上はシンプルに海を表す青い布が天井から吊られているのみ。そして青い布をまとった群衆は時に民に、時には波となって舞台に広がったいきました。
 3時間近くを長いと感じさせない充実した舞台。
 ルチアーノ・パバロッティがメトロポリタンでイドメネウスを演じたDVDがあるらしいですので、機会があれば見てみたいものです。
 それにしもてやっぱりホメロスの『オデュッセイア』は読んでおかなければだめだなあと思いましたね。

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たいこどんどん [舞台]

 ちょっとばかし体調不良でした。この私が2日間もお酒飲んでないのですから(笑)。まあ、毎年、この時期はいけないのですがね…。せっかく國村さんの大河ご出演という本当に嬉しいニュースがあったのというのに、いまいちテンションがあがらないというていたらくでした。
 そんなか、シアターコクーンでの蜷川さん演出の「たいこどんどん」に行ってきました。井上ひさしさんの芝居を蜷川さんが演出するとなにせ「きっちり」やるので上演時間も長〜い。今回も休憩入れて3時間半強。どんなことになるか、不安だった(自分の体調も含めて)のですが、そんな不安は吹っ飛ぶ面白さ。
 時は、幕末、江戸の薬種問屋の若旦那の清之助(中村橋之助さん)と太鼓持の桃八(古田新太さん)の二人は、ひょんなことから東北地方の各地をさまざまなことに巻き込まれながら、旅をすることになる。笑いとエロさと井上さんらしい駄洒落がちりばめられ、それを蜷川さんの演出がテンポ良くミュージカル仕立てで展開させていきました。今回の震災でしばしば聞くようになった地名が次々と出てきます。もし、井上さんが生きていらしたらどんな思いでこの舞台を見たでしょうか。ただ、ラストの演出に関しては賛否両論になりそうです。私は、ハンマーで殴られた気がして、ちょっと?ですが。
 でも、少し、元気にはなりましたね。
 

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「国民の映画」を観る [舞台]

 今日は、仕事が振替の関係でお休みの日。3月に渋谷のPARCO劇場のチケットを取っていたのですが、丁度、地震直後の計画停電の日に当たり、公演が中止になってしまった三谷幸喜さんの「国民の映画」。幸い、友人が横浜・神奈川芸術劇場(KAAT)のチケットを取っていてくれたおかげで、今日、観ることができました。
 KAATとはどんな劇場かも知らなかったのですが、まあ、大きな空間。おまけに席は一番前のセンターでした。ほとんど舞台を見上げる位置で、観ることになりました。
 ナチの時代の宣伝相ゲッペルス(小日向文世さん)を中心とした当時のドイツ映画界とそれにからむ人間模様を描いたものでした。国防大臣ゲーリングを白井晃さん、親衛隊長官ヒムラーを段田安則さん、ユダヤ人執事を小林隆さん、俳優グスタフ・グリュンドゲンスを小林勝也さん、そして俳優エミール・ヤニングスを風間杜夫さん、ケストナーに今井朋彦さんという豪華メンバー。三谷さんらしく笑いもありましたが、テーマは芸術と国家の政策、そしてもちろん、ユダヤ人の殲滅という重いものも背景にありました。それぞれの役者さんの演技合戦という雰囲気もありましたが、3時間という時間を感じさせない充実したものでした。観ていて、三谷さんの映画好きというのがよくわかりました。戦前のドイツ映画の代表作「会議は踊る」のテーマ曲が流れ、デートリッヒやガルボという亡命した女優たちの名前、そしてアメリカに亡命したドイツ人監督エルンスト・ルビッチがアメリカで作ったの「生きるべきが死すべきか」というナチ批判映画(でもコメディ)の話など、映画好きならたまらないエピソードも組み込まれていました。
 ただ、惜しむらくは、三谷さんの芝居を上演するにはKAATは大き過ぎました。この芝居はPARCOぐらいのキャバが合っている。そしてなぜか新しい劇場にもかかわらず携帯電話の電波を遮断する機能がないのには驚きました。ラスト近くのいい場面ですぐ近くの人の携帯電話(マナーモードでしたが)が鳴ってしまい、気分をそがれてしまいました。電源を切らなかった人も問題ですが、この劇場の構造にも問題があるでしょう。

タグ:国民の映画
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紅姉妹…そして [舞台]

 観に行く予定にしていたお芝居が公演中止になったため、久し振りの観劇でした。
新宿の紀伊國屋ホール(古い方)での3軒茶屋婦人会主催の「紅姉妹」。3軒茶屋婦人会というのは、篠井英介さん、深沢敦さん、大谷亮介さんが3人だけで女性を演じる企画公演名。
 始まりの舞台は、2012年のアメリカのバー。そこにひとりの老婦人(ミミ→篠井さん)が現れ、自分と亡くなっていった二人の「姉妹」ベニー(深沢さん)とジュン(大谷さん)のことを思い出す。ケンジという1人の男性をそれそれ別の形で愛したことで、深く結びついた3人。それがどのようなかかわり方をしたか、謎解きのように時代を遡り、ラストが初めて3人が出会う1945年の場面で終わる。
 わかぎえふさんの脚本の面白さ、そして達者な3人の方たちのテンポのよい、笑いと悲しみを織り交ぜた絶妙の舞台でした。
 行くまですっかり忘れていたのですが、今日は初日だったのですね。パンフレットを買ったら、売っていたのがわかぎえふさんご自身。「無理矢理、作者のサインしちゃいますね〜」とパンフにサインをしてくださいました。客席にもちらほら見たような方々が。
 一時、時間を忘れさせてもらえたいい舞台でした。

 舞台の最中は鳴らないで欲しいと思っていた、携帯の緊急地震警報。家に帰った途端に鳴り響き、またドキン。急いでテレビをつけると千葉沖が震源。東京は震度3でした。ところが地震よりびっくりしたのが、スーちゃんの訃報です。55歳という若さ。ショックです。田中好子さんのご主人って夏目雅子さんのお兄さんだったということも知りませんでした。妹さんも、奥様も若くして亡くされるなんて。
 ご冥福をお祈りします。

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